中小企業の場合、社長など役員のための退職金が準備されていないことが多いかもしれません。

そこで、事業を継続していくうえで生命保険を利用して、節税と退職金の準備をすることができます。

これは、法人(会社)で生命保険に加入することで、万が一に備えるのはもちろん、個人で保険料の支払いをしても生命保険料控除限度額が少ないため、あまり節税とはなりませんが、法人で保険料を経費にすることで法人税の節税を図り、なおかつ、退職金を受け取った時の所得税の軽減も可能となります。

 

【メリット】

①万が一の事業保障

法人で生命保険に加入することにより、代表者の万が一に備えるとともに、借入金の返済資金などの会社の事業資金・運転資金などの資金不足から会社を守ることができます。

②法人税等の節税

保険の種類にもよりますが、役員退職金のための保険料は、半分経費・半分積立 として処理されるものが一般的です。したがって、保険料の半分が経費となるので、その部分についての法人税等の税負担が軽減されます。また、残りの積立分については、法人に資産計上されます。(貯蓄部分)         これは保険解約時に取り崩すことにより、退職金支給時の業績圧迫を避けることができます。

この業績圧迫とは、2つの側面があり、まず退職金というとそれなりに大きな金額となるためその退職金を支給するための大きな資金需要が必要となること及び退職金の経費計上による業績悪化である。そこで、保険金の解約で得た資金(解約返戻金)を支給原資とすることにより、退職金の資金需要を賄い、かつ、保険料支払い時に半分積立金として処理していた貯蓄部分を取り崩し、解約返戻金との差額を収益に計上することにより、退職金の経費計上と相殺する。

③所得税等の節税

本来、法人(会社)から支払いを受ける退職金は当然、所得税等の課税対象となります。したがって、多額の退職金を受け取った場合は、所得税等も多額となります。しかし、退職金はその後の生活資金との意味合いが強いことから、課税体系が優遇されています。具体的には、退職金は 所得税では退職所得となり、給与と同様に退職所得控除があります。これは、勤続年数に応じて、退職所得から控除することができます。勤続年数が20年以下の場合は、1年につき40万円。20年を超えると、超えた部分の年は、1年につき70万円。

例えば、勤続年数30年の場合。40万円×20年+70万円×(30年-20年)=1,500万円  ※1,500万円の所得控除となります。

さらに、退職金から上記、退職所得控除を差し引いて、残額がある場合には、1/2 を乗じた金額が退職所得となります。

具体例として、退職金が2,000万円 勤続年数30年

(2,000万円 - ※1,500万円) × 1/2 = 250万円

つまり、所得税等が課税される退職所得(退職金)は250万円になります。実際の退職金が2,000万円で課税されるのは250万円のみなので、かなり節税となります。また、退職金は分離課税なので、他の所得と通算する必要がありません。

 

【デメリット】

①計画的に実行する必要がある

生命保険を利用した節税スキームは、出口戦略が大変重要なため、あらかじめ退職金を受け取る時期などを最初に計画する必要があります。また、実際に保険に加入してから退職金を受け取るまでにかなりの時間を要することから余裕を持った計画が必要です。

②継続的なキャッシュアウト

長期の契約のため、保険料の支払いが継続的なキャッシュアウトを伴うことから適切な資金管理及び経営状態の安定が求められる。もし、将来、経営状態の悪化などにより資金難になる可能性もあることから契約者貸付金制度が利用可能かどうかも確認が必要です。また、途中解約により換金することも可能です。

 

※上記は、なるべくわかりやすくするためのものであることを予めご了承ください。保険に加入する際はくれぐれも詳細をご確認のうえご検討ください。