1.節税とは?

・節税とは、法律の範囲内で税金を減らすことであり、
脱税は法律を逸脱して税金を減らすことであります。

節税とは?

節税といっても、良い節税と悪い節税があります。
巷には節税との触れ込みで様々な商品や方法が紹介されております。
そのなかには、本当に節税?と疑いたくなうようなものも存在します。
したがって、本当に節税になるのか、またどのくらいの効果があるのかをきちんと見極めて実行する必要があります。

一般的によく利用される方法として、
○短期前払費用の取扱い(地代、家賃、リース料)
○未払費用の計上(給与、決算賞与、社会保険料、租税公課、買掛金等)
○固定資産(少額減価償却資産、除却、売却、特別償却、税額控除、付随費用の経費計上、中古資産の購入など)
○保険商品等の契約(生命保険等、小規模企業共済、中小企業退職金共済、経営セーフティ共済、リース)
○その他(社宅、旅費日当、退職金、福利厚生、所得分散など)

・私が以前いた会計事務所では、
お客様のなかに、申告期限ぎりぎりに
「今期利益が思いのほか出そうだから何か良い節税はありませんか?」という方がいらっしゃいました。
しかし、このような場合には有効な節税手段はほとんどありません。
でもお客様はせっかく税理士を雇っているのに何もしない(できない)会計事務所に納得できません。
これは、お客様とのコミュニケーション不足が招いた問題です。
その後、確定申告書を作成してお客様に納税額を伝えると、思わぬ笑顔が返ってきました。
なぜなら、税務上、様々な優遇措置があるため要件を満たせば、税額を減らすことが可能なのです。
でもこれは節税というより、適正な税額計算により生じた結果なのです。
もちろん計画的な人材投資と考えれば節税といえるかもしれません。

例えば法人では比較的有用な制度として
○雇用促進税制(雇用者の数が増加した場合の税額控除)
○雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除制度 などがあります。

このような問題が起きないように、節税は計画的に考える必要があります。

良い節税と悪い節税?

2.良い節税と悪い節税

・良い節税とは一体どんなものでしょうか?

それは計画的に実行した場合の税金負担の軽減度になります。
つまり、節税することによって最終的にどのくらい税金が減るのかということです。
これは一時的なものだけではなく長期的なものを含めます。
節税には、単純に税金を減らすもの(税金減額)と一時的に税金を減らすもの(課税の繰り延べ)があります。
まず、単純に税金を減らすものとしては、税法として認められている特別控除があり、非常に効果的です。

良い節税と悪い節税
具体的には、固定資産取得・人材投資などによる各種特別控除。
つぎに、一時的に税金を減らすものとして、
短期前払費用の取扱い・未払費用計上・特別償却など、ほとんどが該当します。
これは、一時的に経費をその期に算入させることにより
所得(利益)を圧縮することにより税金を減らすこととなります。
したがって、いずれその圧縮された所得(利益)に対して
税金が課税されることとなります。
これだとあまり節税と感じないかもしれません。
しかし、計画的に実行することにより効果を発揮します。
法人税や所得税など所得区分に応じて税率が違うため、
一時的に所得(利益)を圧縮することにより低税率による課税を受け、
のちにその圧縮された所得(利益)に対して課税される際にも、
計画的に低税率による課税となれば、
総合的に見ると大きな効果があります。