ラップ口座における株取引の所得区分
最近CMなどでも耳にするラップ口座。
ラップ口座とは、証券会社や信託銀行などが個人と契約をして、自分の代わりに資産運用をしてくれる投資一任サービスです。
では、このラップ口座で国内上場株式について株取引をした場合の所得区分はどうなるのでしょうか?
国税庁の質疑応答事例では、
この投資一任契約に係る成果は顧客に帰属することとなりますので、それが株式等の譲渡によるものである場合には、
株式等の譲渡による事業所得、雑所得又は譲渡所得のいずれかの所得として分離課税の対象となりますが、
これらの所得のいずれかに該当するかは、株式等の譲渡が営利を目的として継続に行われているかどうかにより判定することとしています。
この場合、株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上、上場株式等は流動性が高いことから「営利・継続取引」される可能性が高いとして
事業・雑所得に区分しうるものとする一方、非上場株式等は流動性が低いとして譲渡所得に区分し、上場株式等であっても、その株式等の
所有期間が1年超にわたるものの所得の実現は保有期間中の値上り益の実現とみて、譲渡所得に区分するものとしています。
この投資一任契約は、所有期間1年以下の上場株式の売買を行うものであり、また、顧客が報酬を支払って、
有価証券の投資判断とその執行を証券会社等に一任し、
契約期間中に営利を目的として継続的に上場株式の売買を行っていると認められますので、
その株式等の譲渡による所得は、事業所得又は雑所得に当たるものと考えられます。